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とうようぶんかしにおけるぶっきょうのちい

東洋文化史における仏教の地位

高楠 順次郎

外務省文化事業部に於ける講演、1930(昭和5)年2月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,830 字 · 69 页

青空文庫

というのはこれだけの材料が日本にあり、この材料を読みこなすことはどうしても西洋人には出来ない。どうしてもこれを研究いたしますのには西蔵語を知らなければならぬ。サンスクリットを知らなければならぬ。漢文は自由に読めなければならぬ。また信仰的にも学術的にも相当仏教のことを知っておらなければならぬ。だからいくら賢明の西洋人でも一人ではやり遂げることは出来ない。一人仏教の分るものを北京に招致したいということであったので成田昌信君が行っております。材料だけは日本で整理してやりたいという考えでありますが、向うもなかなか放っておかない。

日仏会館ではフランスからレビー氏とか、フシエ氏とか、マスベロ氏というような学者が来て相助けて日仏仏教辞書の編纂中であります。日本の仏教辞書をフランス語に訳して日仏仏教辞典法宝義林をいま拵えております。一巻は既に出来上りましたし、二巻を印刷して殆ど出来上っております。私とレビー氏との出版主任でやっております。これは震災後私が西洋に行きました時に、大正九年にフランスで私も加わって決議したのであります。仏教辞書を拵えるということについては日本学者の協力は必要であるから、日本で拵えて送ってくれというふうの話でありますから、こっちでも金がなくては指を染めることも出来ない。