轻松读懂日语经典作品
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まつばやしへんや
松林蝙也
山本 周五郎
「キング」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,092 字 · 25 页
「ああ、ひどく酔ってしまった、こう酔っては寝られもしない、これから染屋町の堤へ螢でも見に行こう、おまえ行って皆を呼んで来い」
「誰々を呼びましょうか」
「栗原に滑川に土居金八、それから渡辺の頑太郎も呼んでやれ」
みんな蝙也の愛弟子だった。
立花哲次郎は、蝙也のことを居合せた山根道雄に頼んでおいて、すぐその連中を呼びに出て行く、――蝙也はそのまま雷のような鼾をかきながら眠りこんでしまった。
「先生、お風邪を召します、先生」
二三度揺り起したが、身動きをする様子もない、――道雄はそっと立って、町の居間へやって来た。
「お町どの早くおいでなさい」
「――何でございますの?」
「先生を驚かす絶好の機会です、早く」
町は即座に立上った。
玄関へ来て見ると蝙也は相変らず眠りこけている、横ざまになって、左の腕を枕にし、右手で大剣を持ったまま、恐ろしく大きな鼾をかいて熟睡している。
「御覧なさい、お頭がちょうど杉戸の閾の上にあるでしょう。――この杉戸を閉めるのです」
道雄が囁いた。
「拙者がこちらを閉めるから、あなたはそちらをお閉めなさい、一度に呼吸を計って、力いっぱいにやるのです」