轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こたんのふうかくをはいす

枯淡の風格を排す

坂口 安吾

「作品 第六巻第五号」1935(昭和10)年5月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,411 字 · 15 页

青空文庫

悩むべきものに悩むまいとする逃避的な思想から来たもので、自ら内蔵する醜に強いて触れまいというのであるが、彼が斯く「醜」と感ずるそのことが全く実体のない空想的偏見に捕われているのであって、真に悩むべきを悩むところの人間にとっては、醜も美も文句はなく切実な行があるばかりである。斯様な場合、空想的思弁家のシニカルな潔癖ほど醜劣なものはないのである。実体の探究者、或いは実体と争う人にとって、「行」に先立つ醜も美もありえない。

正宗氏の足跡は苦行者の如く、その数十年の作家生活は一途に悩みつづけてきたかの外貌を呈しているが、実際は、当然悩むべきところに悩むまいとする逃避的な悩み方ばかりを悩みつづけてきたものと私は解する。ところが正宗氏は所謂政治家実業家の「腹のできた人間」ほど莫迦になりきるにしては聡明すぎる頭を持ち、峻烈な理知をもっているから、自分の逃避的な人生態度に時々自ら批判者の側に立ち、せめて思弁の中でなりと逃避的ならざる素裸となり景気をつけてみようとする。然し所詮思弁家は行う人であり得ない。

「貪婪陋劣な情慾を貧弱な体質で表はさうとする光景を目に浮べると、嘔吐を催しさうな気持ちがした。