轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
そめきちのしゅぼん
染吉の朱盆
国枝 史郎
「サンデー毎日」1927(昭和2)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,824 字 · 35 页
百人一首を蒔絵にする、有勝のことで不思議はないや。だが染吉はその偶然を、旨く利用したものと解するんだなあ。しかし最後の一枚になって、すっかりへこたれてしまったのは、……こいつだけは二通りに解釈出来る。恋病で衰死をし、製造することが出来なかったと、こう解釈をしてもいいし、もし染吉の作った朱盆に、ひょっと人の血が雑ってでもいるなら、染吉自身の血だとして、あんまり生血を絞ったんで、衰えて死んだとしてもいい。……兎に角ほんとに染吉という奴は、わけのわからない衰死病で、若死したというからなあ。古道具屋の爺もいっていたよ……どうだアラカタこれでよかろう。スッパリ辻褄は合ったろうがな」
また笑ったものである。
「お縫様の死はどうするね?」半九郎凹まずきき返した。
「ある大店の娘御が、癆咳を病って寮住居、年頃だから恋がほしい、そこでぜひとも『思ひそめしが』と、誰かに口説いて貰いたい、そこでその盆をほしがっているうち、病気が進んでなくなられた。癆咳娘の住居した寮だ、借手がないという所で、今日までも空家なのさ。……ということにするがいいさ。ごらんよ、ちゃァんと辻褄が合わあ」