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うめづしえんおうでん

梅津只円翁伝

杉山 萠円

「福岡日日新聞」1934(昭和9)年4月14日~5月31日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,582 字 · 130 页

青空文庫

翁の塑像製作中、津上氏は古賀氏、佐藤氏、筆者等が傍で語る只圓翁の逸事を聞きながら、

「愉快ですなあ。立派な人ですなあ。製作するのに気持ちがいいですなあ」

と打喜び、東京へ出発の際翁の石膏像を動かしながら、

「私は大きな拾い物をしました」

と眼をしばたたいた程の感激振りであった。そうしてまだ発起人連中の予算の相談も纏まらぬ中に、前掲の如き見事な銅像と土台石が津上氏から古賀得四郎氏の許へ到着したので、筆者等は少なからず狼狽させられながらも津上氏の感激振りに心から感激した。同時に今更のように只圓翁の遺徳の高大さを仰いだ次第であった。

しかしここに困った事は津上氏の感激のために、ほかの場合では一番最後に後れて出来上り勝ちの銅像が、まだ何事も決定しない一番先に出来上ってしまった事である。敷地は既に翁の後嗣梅津謙助氏の好意で薬院中庄の翁の旧宅跡に決定されたが、右につき津上氏の誠意は別の事としても、そのためには最初の計画の約二倍、すなわち約二千円の寄附金を集めなければならぬ。そのために発起人会を後から催して運動を初めねばならぬという滑稽且つ、悲惨な順序に陥ってしまったのみならず、その寄附金を集むべく種々奔走の結果、予定の二千円のやっと半額程度しか集まらず、製作者津上氏が自弁していた銅像建設の実費を弁償し得た以上には、ほとんど