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うめづしえんおうでん

梅津只円翁伝

杉山 萠円

「福岡日日新聞」1934(昭和9)年4月14日~5月31日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,582 字 · 130 页

青空文庫

(十八)殺生石直面(十九)羽衣ワキ(二十)是界(二十一)蘆苅(二十二)箙(二十三)湯谷ツレ(二十四)景清ツレ――但これは稽古だけで能は中止(二十五)船弁慶ツレ、及、海人子方同時(二十六)田村(二十七)土蜘――但し稽古だけにて能は舞わず(以上)

その他「清経」シテ、「三井寺」ツレ等が四五番あったと思うが、ハッキリ記憶しない。

そのうちに十六七歳になったので、翁は舞台に立った筆者を見上げ見下してニコニコした。

「ほう。これは大きゅうなった。もう面をかけんとおかしいのう。面をかけると序の舞やら楽やら舞うけに面白いがのう。ハテ。何にしようか。今度一度だけ『小督』にしようか。うむ、『小督』にしよう『小督』にしよう。『土蜘』もええが糸の投げようがチット六かしかろう」

筆者は「土蜘」が舞いたくて舞いたくてたまらなかった。ずっと以前に河原田翁の追善能で見た金剛某氏の仏倒れや一の松への宙返りをやって見たくて仕様がなかったが、翁が勝手に「小督」にきめてしまったので頗る悲観した。

その中に中学を落第しそうになって稽古を休んだのをキッカケにとうとう翁の処へ行かなくなった。