轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きょうゆう

梟雄

坂口 安吾

「文藝春秋 第三一巻第八号」1953(昭和28)年6月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,160 字 · 31 页

青空文庫

院内の清潔をみだす罪人を――罪人や領内の人々の判断によるとそれは甚しく微罪であったが――両足を各の牛に結ばせ、その二匹の牛に火をかけて各々反対に走らせて罪人を真二ツにさいたり、釜ゆでにして、その釜を罪人の女房や親兄弟に焚かせたりした。

道三の悪名はみるみる日本中にひろまった。日本一の悪党という名は彼のものである。彼ぐらい一世に悪名をもてはやされ、そして誰にも同情されなかった悪党は他の時代にも類がなかったようである。

しかし、彼は戦争の名人だった。彼が多くの長槍と多くの鉄砲をたくわえ、特に鉄砲については独特な研究に没入していることは諸国に知れていたが、兵法の秘密はまだ人々には分らなかった。彼の戦法は狡猾で、変化があった。近江の浅井、越前の朝倉、尾張の織田氏らはしばしば彼と戦ったが、勝ったあとでは手ひどくやられる例であり、そのやられ方は意外な時に意外の敗北を喫しているだけの正体のハッキリしない大敗北であった。

彼が罪人を牛裂きにしたり釜ゆでにしたりするのに比べると、それほど積極的に戦争を好んでいるようにも見えなかった。実際は天下に悪名が高いほど牛裂きや釜ゆでに入れあげていたわけでもなかった。