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たのしいソヴェトのこども

楽しいソヴェトの子供

宮本 百合子

「女人芸術」1931(昭和6)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,595 字 · 10 页

青空文庫

そこでは、白い上被を着た保母さんがいて、御飯の世話をやき、少し大きくなったら、御飯のあとでアルミニュームのお皿を洗うことも教えてくれた。

――フフフフフ。

ミーチャは、歯みがき粉のアブクを口から垂らしながら思い出し笑いをした。

あすこに「赤い毛のワロージャ」とあだ名のあるいたずらっ児がいた。いつだったか、ポケットへ二十日鼠を入れて来た。女の児をそれでおどかしては泣かせて面白がってた。すると思いがけず白い上被の小母さんが「赤い毛のワロージャ」に、

――ワロージャ、お前ポケットに何いれてるの?

ときいた。ワロージャのやつ! 目玉キョロキョロさせてミーチャや女の児の方を見ながら、

――巻パンが入ってる。

と云った。

――そう、じゃ一寸見せて頂戴。

ワロージャのポケットへ小母さんが手を入れて、引き出したのは勿論例の二十日鼠だ。ワロージャは、自然の赤い毛よりもっと赤い顔して、身動きもしないで目玉ばっかり動かしてる。ミーチャは笑いたいようだし、小母さんがこわいようだし、矢張り身動きもしないで、二十日鼠の尻尾をぶら下げた小母さんを見つめてた。

――ワロージャ、変だね。