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はぐるま

歯車

芥川 竜之介

去参加婚礼的路上,听说有个穿雨衣的幽灵常出没。偏偏在车站真遇到一个穿雨衣的男人,是巧合还是撞鬼了?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,267 字 · 52 页

青空文庫

それらの紙屑は光の加減か、いずれも薔薇の花にそっくりだった。僕は何ものかの好意を感じ、その本屋の店へはいって行った。そこもまたふだんよりも小綺麗だった。唯目金をかけた小娘が一人何か店員と話していたのは僕には気がかりにならないこともなかった。けれども僕は往来に落ちた紙屑の薔薇の花を思い出し、「アナトオル・フランスの対話集」や「メリメエの書簡集」を買うことにした。

僕は二冊の本を抱え、或カッフェへはいって行った。それから一番奥のテエブルの前に珈琲の来るのを待つことにした。僕の向うには親子らしい男女が二人坐っていた。その息子は僕よりも若かったものの、殆ど僕にそっくりだった。のみならず彼等は恋人同志のように顔を近づけて話し合っていた。僕は彼等を見ているうちに少くとも息子は性的にも母親に慰めを与えていることを意識しているのに気づき出した。それは僕にも覚えのある親和力の一例に違いなかった。同時に又現世を地獄にする或意志の一例にも違いなかった。しかし、――僕は又苦しみに陥るのを恐れ、丁度珈琲の来たのを幸い、「メリメエの書簡集」を読みはじめた、彼はこの書簡集の中にも彼の小説の中のように鋭いアフォリズムを閃かせていた。