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しのふくしゅう

死の復讐

国枝 史郎

「秘密探偵雑誌」1923(大正12)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,539 字 · 16 页

青空文庫

チホン「必ずすると思います。もし御不審でございましたらその三人を御呼出しの上厳重にお調べ下さいますよう」

法官「必要に依って調べもしよう――何かお前に云うことがあったら成る丈け簡単に云うがよい」

チホン「それでは先程の話の続きを申し上げることに致します……私がイサクを憎むよりもイサクが私を憎む方がどうして多いかと申しますに、イサクの家が私の家よりひどく貧しくなったことと、私はこのように壮健ですけれど、イサクは肺病と胃癌とですっかり体を痛めて了って余命少くなったこととが其原因でございます。親譲りの怨みがある上にその怨ある相手の奴が――つまり私でございますが、其奴が自分より金持でもあり壮健でもあると致しましたら、全くそれは二重三重の怨を持つ筈でございます。私の友達はそれを案じて、早くこの土地を立ち去れなどと忠告したほどでございます。その友達の話によれば、相手のイサクは死物狂いで、自分の命を囮に使っても、私の命を取るとか云って騒いでいるとかいうことでした。そういう渦中に飛び込んで来たのがあの気の毒な大学生のアルブズフとかいう人でイサクはその人を一目見ると直ぐ泊める気になったのです。