轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しまでをかたる
死までを語る
直木 三十五
「話」1933(昭和8)年9月号~1934(昭和9)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 42,739 字 · 85 页
「宗一、又、きてけつかる。浜はんへ、行かんか」
と、父が、怒鳴りにくるようになった。この貸本屋で、いかに、私は多くの講談本を読んだか? 「誰ヶ袖音吉」「玉川お芳」などの大阪種の、侠客物の味は、まだ忘れられない。
九
植村宗一、直木三十五の外に、私は、北川長三、竹林賢七というペンネームを、一年か、半年もっていた事があるが、その外にもう一つ、安村宗一という名がある。これは、私も、その内に、忘れてしまうかも知れぬから書いておくが、私の両親が、結婚したのか、私通したのか、とにかく、尋常小学へ入学した時の私の姓名は、安村宗一であった。善意に解釈すると、母の安村静が、長女であったが為、植村へ入籍できなかったせいであるが、悪意に考えると、何うも、父母は、公然と結婚したのではないらしい。私も、結婚をした事はないが、貧乏と共に、矢張り親譲りのものである。
弟を背負ったり、惣菜の買出しに行ったりしている間に――尋常四年の頃であろう。その時の光景を、今でも、明瞭と憶えているが「のばく」から、通りへ出る坂の右側に「金時湯」という湯屋がある。その前で、一人の女に逢うた。