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さつじんめいろ
殺人迷路
江戸川 乱歩
05 (連作探偵小説第五回)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,041 字 · 17 页
「そうなんだ。マア、来て見給え」
四人は犯人の足跡を乱さぬ為に、それと並行に二三間も離れた所を歩いて、五十米程も行くと、往復二本の靴跡はそこでパッタリ途絶えていた。
といって、そこから突然地面が固くなっているのではない。若し犯人が歩き続けたとすれば、必ず足跡が残っていなければならぬ。では何故消えたのか。犯人は足で歩くことをやめたからだ。
「ね、足跡が消えたかと思うと、丁度その箇所に、こうしてタイヤの跡が残っているでしょう。云うまでもなく、奴はここへ自動車を待たせて置いて、あの空家へ往復したんです」
「素敵素敵、なんて『完全な証拠』でしょう」津村記者が大喜びで叫んだ。「すると、犯人はあの女の死骸を自動車にのせてここまで運び、この先は道が柔か過ぎるので、車を降りて、死骸を担いで、あの洋館へ持ち込んだって訳ですね。実に筋道が通ってますね」
そこは車馬の通う大道路からは、やはり五十米程離れた、広い砂地であったから、犯罪者ででもなければ、物好きにそんな難儀な場所へ自動車を乗入れる奴はない。だから、問題のタイヤの跡の外には、一筋の車の跡もなく、津村の云った通り、全く『完全な証拠』