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「ははのひざのうえに」(しょうかいならびにたんぴょう)

「母の膝の上に」(紹介並短評)

宮本 百合子

「八つの泉」災害救済婦人団、1923(大正12)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,661 字 · 22 页

青空文庫

この男性全般に対する驚歎の感じは、彼女が大きくなるにつれ、少しずつ色調を更えました。彼女は、父や兄達が下らないことで勿体ぶり威張るのを見たり、場外れに大仰なことをしたりするのを見ると、妙にばつの悪い眼をパチリとやらずにいられない擽ったさを感じずにはいられなくなりました。

この心持は、もう暫く経つと、男と云うものは、偉いには偉いが、妙な、邪魔っけなものだと云う概念になりました。

誰にとっても男は偉く思われている証拠には二人の姉、フロラとヒルダとは大仲よしで、ひまさえあると、何かしら男のひとのことについて、熱心に喋っています。ロザリーは、学校を終ったばかりのヒルダから初歩の学課を習い始めているのですが、ヒルダは、ロザリーにお稽古帳をあずけたまま、姉のフロラと窓際で、ひそひそ何か話しています。ロザリーは、どうも落附かなく、先生を傍にとられ、物足りません。自分からヒルダを引さらって行くのはフロラではない、フロラとヒルダにあれ程話の種となる「男」と云う者ではありませんか。

散歩も、ロザリーにとって、この感じを強めるにしか役立ちませんでした。二人の姉さんは小さい自分を放ぽり出して、気取って男のお友達と歩いたり、時には、「サ、いい子だから、あそこの角で誰も来ないか見て来てね」