轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
「文学界」1937(昭和12)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,355 字 · 153 页
といって折よく来た逸作の傍へ馳け寄った。
あなたはO・K夫人でいらっしゃいましょう。僕は一昨夜あなたに銀座であとをつけられた青年です。僕は初め、何故女の人が僕について来るのかと不思議だったのです。それが更に世に名高いO・K夫人らしいのに驚き、最後にあれだけでお別れして仕舞うのが惜しくて堪らなくなったはずみで、思わず言葉をおかけしました。するとあなたは恰も不良青年にでもおびやかされた御様子で、逸作先生(僕はあの方があなたの御主人で画家丘崎逸作先生だと直ぐ判りました)の方へお逃げになりました。僕には何もかも不思議なのです。しかもあなたがお逃げになったあと、僕は一人で家へ帰りながら、どうしてもまたあなたにお目にかかりたくて仕方がなくなり、今でもその気持で一ぱいです。僕はあなたが有名な女流作家であるからとか、年長の美しい婦人に興味を持つとか、単なるそんな意味ばかりではなし、何故あなたのような方が、あの晩、あんな態度で僕をおつけになり、最後に僕を不良青年かなぞのように恐れてお逃げになったか、その意味が伺い度いのです。
こんな意味の手紙。これは銀座でそのことがあって一日おいて来た、あのナポレオン型の美青年からの手紙であった。