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みずしちけい
水七景
小川 未明
「童話読本」1948(昭和23)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,631 字 · 6 页
ぼくは、ひさしぶりで、なつかしい川のにおいをかぎました。水も、ぼくを見て笑えば、太陽まで、きら、きらと、よろこんで、歓迎してくれました。
*
地主は、縁側で、庭をながめながら、たばこをすっていました。そのとき、きたないふうをした、旅僧が、はいってきて、
「どうぞ、水を一ぱい、いただきたい。」と、もうしました。すると、地主は、つれなく、
「この井戸の水は、金気があって、のめない。どうぞ、よそへいきなされ。」と、ことわりました。
旅僧は、そのまま、だまって、木戸口を出ていきました。
旅僧は、こんど、村はずれの、小さな百姓家へはいって、たのみました。
「おやすいことです。さあ、たくさんめしあがれ。」と、いって、あるじは、わざわざ井戸から、つめたい水をくんでくれました。
僧は、よろこんで、お経をあげて、たちさりました。
それからというもの、どんなひでりつづきで、ほかの井戸が、かれても、この家の井戸は、ご利益で、水のつきることは、なかったといいます。
*
ある夜、わたしが、町を歩いていると、広場の、くらがりに、人々があつまって、なにか見ていました。