轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
えどがわらんぽ
江戸川乱歩
平林 初之輔
「新潮 第二七年第一号」1930(昭和5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,422 字 · 3 页
感激というようなものは、生まれる時に母親の腹の中に忘れてきたような顔をしている、それでいて非常に熱心で、現代には稀に見る情熱家で、凝り性であるらしい。
人間は、どちらかといえば上方人通有の俗っぽい方で、案外、野心もあれば、稚気もあり、功名心ももっているようだ。一頃は探偵小説家と言われるのを肩身を狭く思って、芸術小説の方へ進もうと志望していたらしい。探偵作家として特殊扱いにされるのが、芸術家としての沽券に関するとでも思ったのだろう。そんなことをそうとう気にする男である。だが、下っ端の大衆作家に見るような下素っぽいところは微塵もない。俗臭を帯びながらどこか仙骨を帯びてもいる。ちょっと矛盾した性格の人間である。
彼の作品は初期のものは大部分愛読したものだが、近頃では、私自身探偵小説にあきてきたせいもあって、めったに読まない。しかし、出来不出来は免れないにしても、彼は一作ごとに何程かの進歩を見せざればやまないような人間だから、近頃の彼の作は立派なものだろうと思う。
彼の想像力は、ポーに似ていると言われている。しかし彼の作にはポーの作に見るような鬼気のせまるものはない。