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えどげいじゅつろん

江戸芸術論

永井 荷風

在线阅读永井 荷風《江戸芸術論(えどげいじゅつろん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,130 字 · 167 页

青空文庫

巻を開けば図は先づ武家屋敷長屋の壁打続きたる処にして一人の女窓のほとりに彳み頬冠せし番付売を呼止めて顔見世の番付購ふさまを描きたり。繁華の橋上に乗込の役者を迎ふる雑沓の光景(第二図)より、やがて「吹屋町を過れば薫風袂を引くに似た」る佐野川市松が油店。石畳の模様に同の字の紋所染めたる暖簾のかげには梳櫛すき油など並びたり。二月十五日は中村座の祝日とかや。進上の飾物山をなし(上巻第四図)やがて顔見世中村座木戸前の全景(上巻第五図)より市村座劇場内(第六図)を見て過れば、再び芝居町の名物高麗せんべいの店先(第七図)に花菱の看板人目を引き、名代福山の蕎麦(中巻第一図)さては「菊蝶の紋所花の露にふけり結綿のやはらかみ鬢付にたよる」瀬川の白粉店(中巻第八図)また「大港の渦巻さざれ石の巌に遊ぶ亀蔵せんべい」は御伽羅の油「花橘の香につれ」て繁昌する永斎堂が店先(中巻第四図)大小立派なる武士の艶かしき香具購ふさまさすが太平の世の風俗目に見る如し。重政がこの絵本にはその他なほ楽屋裏の新道に編笠深き若衆形の楽屋入りを見せ、舞台のうしろに囃子方腰かけて三味線弾きゐる傍に扮装せる役者の打語れるあり。