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けっせんかわなかじま うえすぎけんしんのまき
決戦川中島 上杉謙信の巻
――越後守安吾将軍の奮戦記――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,278 字 · 19 页
北方は遠く善光寺まで見通しだ。
また海津城は三キロ東方の眼下にあり、その彼方に松代がある。妻女山につながる山脈は松代の背面を迂回しており、この山々の麓には過ぐる太平洋戦争に日本軍部が築きかけて終戦となった松代大本営の地下室への入口のいくつかが望見できるのである。天皇の居室に当るところは、山峡に入口が設けられており、ためにここから見ることはできない。随行の放善坊は、海津城の動勢よりも松代大本営の設計に多大の興味を覚えた如くであったが、余もまた若干その傾きがあった。
「海津城の後左に大きな石塁をつんだ入口らしいのが見えますな。あの入口の向う側に大本営の正面入口があるらしいですぜ。アレ、アレ。右手の山々には小さい入口がタクサンあらア。ずいぶん掘りまくったものですなア。その穴の大半が素掘りのうちに終戦を迎えたから、諸所が崩れて穴ボコの大半が使い物にならないそうじゃありませんか。せっかく掘った穴が崩れるぐらいバカな話はありやしないよ。我々が穴を掘るのはその穴たることが身上だからじゃないか。穴が崩れるために穴を掘る奴はいないや。なんだって、また、穴が出来上るまでねばらなかったんでしょうかねえ。