轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けっせんかわなかじま うえすぎけんしんのまき

決戦川中島 上杉謙信の巻

坂口 安吾

――越後守安吾将軍の奮戦記――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,278 字 · 19 页

青空文庫

敵の不安をさらに掻き立てるために、我が軍はいつまでも二分したまま平然と敵の仕掛けを待つがよい。我が備えが不合理であればあるほど、敵の怯えは深まるのだ」かくて余が将兵の動揺はこれを防ぐことができた。

さらに日を過ぎること十日。ついに信玄の陣営に出動の動きが起った。日没に至りおびただしい炊煙のあがるのを認めたのである。茶臼山を撤して海津城に合一をはかった時に、すでに信玄は余が術策に負けたものというべきであった。なぜならば、海津城の動勢も、その四囲の山々やまた川中島の動きも、すべて余の本営から一見えであったからだ。彼らは日中は動くことができない。夜間のみの機動力は限られている。彼らの策戦はすでに迫力を失っていたのである。

九月九日の夕暮れ、敵陣の動きに異常を認めるや否や、余は幕僚を呼び集め、

「日没と共に諸方に兵を伏せ、わが陣に近づく者は百姓たると女子供たるとをとわず、全てを殺して一人も帰すな。決して声をかけるな。無言で斬りつけ、全てを殺せ。行く者も近づく者もすべてを敵の間諜と思いきめて斬り殺せ。一人といえども斬りもらしてはならぬぞ。したがって、我が軍は間諜をだすな。