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かはくれいじょう

河伯令嬢

泉 鏡花

在线阅读泉 鏡花《河伯令嬢(かはくれいじょう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,763 字 · 68 页

青空文庫

……歌麿の絵の蜑でも、かくのごとくんば溺れます。二打ち三打ち、頽るる潮の黒髪を洗うたびに、顔の色が、しだいに蒼白にあせて、いまかえって雲を破った朝日の光に、濡蓑は、颯と朱鷺色に薄く燃えながら――昨日坊さんを払ったように、目口に灌ぐ浪を払い払いする手が、乱れた乳のあたりに萎々となると、ひとつ寝の枕に、つんと拗ねたように、砂の衾に肩をかえて、包みたそうに蓑の片袖を横顔に衝と引いた姿態で、羽衣の翼は折れたんです。

可心は、川の方の砂堤の腹にへばりついて、美しい人の棄てた小笠を頭陀袋の胸に敷き、おのが檜木笠を頸窪にへし潰して、手足を張り縋ったまま、ただあれあれ、あっと云う間だった、と言うのです。

――三年経って、顔色は憔悴し、形容は脱落した、今度はまったくの墨染の聾坊主が、金沢の町人たちに送られながら、新しい筵の縦に長い、箱包を背負って、高浜へ入って来ました。……川口に船を揃えて出迎えた人数の中には、穴水の大庄屋、林水。黒島の正右衛門。……病気が治って、その弟の正之助。その他、俳友知縁が挙ったのです。可心法師の大願によって、当時、北国の名工が丹精をぬきんでた、それが明神の神像でした。