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かわあかり
河明り
岡本 かの子
「中央公論」1939(昭和14)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,244 字 · 98 页
若い経営主もその仲間に入っている。
ここへ来てからの娘の様子は、また、私を驚かした。経営主の他、五六人居る邦人の事務員たちは、私たちの訪問を歓迎するのに、いろいろ心を配ったようだが、突然ではあり、男だけで馬来人を使ってする支度だけに、一向捗どらず、私たちの着いたとき、まだ途惑っていた。それと見た娘は
「私もお手伝いさせて頂きますわ」
と云ったきり、私たちから離れて、すっかり事務所の男達の中に混り、野天風呂も沸せば、応接用の室を片付けて、私たち女二人のための寝室も作った。
「森はずれから野鶏と泥亀を見付けて来たんですが、どう料理したらご馳走になるか、へばっていましたら、お嬢さんが、すっかり指図して教えて呉れたんで、とても上等料理が出来ました。これならラフルス・ホテルのメニュウにだってつけ出されまさ」
事務員の一人は、晩餐の食卓でこう云った。なるほど、支那料理めいたもの、日本料理めいたもののほかに、容器は粗末だが、泥亀をタアトルス・スープに作ったものや、野鶏をカレー入りのスチューにしたものは特に味がよかった。
「わたくしだって、こんな野生のものを扱うの始めてですわ。