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ちゅうもんのおおいりょうりてん

注文の多い料理店

宮沢 賢治

宮沢賢治『注文の多い料理店』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『注文の多い料理店』序、注文の多い料理店、さるのこしかけ、茨海小学校、どんぐりと山猫、狼森と笊森、盗森、烏の北斗七星、月夜のでんしんばしら、水仙月の四日、山男の四月、かしわばやしの夜、鹿踊りのはじまり、雪渡り、気のいい火山弾、土神ときつね、楢ノ木大学士の野宿。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,269 字 · 223 页

青空文庫

それに仲々強いから、きっと焼けないで遁げたでしょう」

兄は心持よく笑う。

「そんなら結構だ、さあもう兄さんたちはよくおやすみだ。楢ノ木大学士と云うやつもよく睡っている。さっきから僕等の夢を見ているんだぜ。」

するとラクシャン第四子が

ずるそうに一寸笑ってこう云った。

「そんなら僕一つおどかしてやろう。」

兄のラクシャン第三子が

「よせよせいたずらするなよ」

と止めたが

いたずらの弟はそれを聞かずに

光る大きな長い舌を出して

大学士の額をべろりと嘗めた。

大学士はひどくびっくりして

それでも笑いながら眼をさまし

寒さにがたっと顫えたのだ。

いつか空がすっかり晴れて

まるで一面星が瞬き

まっ黒な四つの岩頸が

ただしくもとの形になり

じっとならんで立っていた。

野宿第二夜

わが親愛な楢ノ木大学士は

例の長い外套を着て

夕陽をせ中に一杯浴びて

すっかりくたびれたらしく

度々空気に噛みつくような

大きな欠伸をやりながら

平らな熊出街道を

すたすた歩いて行ったのだ。

俄かに道の右側に

がらんとした大きな石切場が

口をあいてひらけて来た。

学士は咽喉をこくっと鳴らし

中に入って行きながら

三角の石かけを一つ拾い

「ふん、ここも角閃花崗岩」