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ちゅうもんのおおいりょうりてん

注文の多い料理店

宮沢 賢治

宮沢賢治『注文の多い料理店』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『注文の多い料理店』序、注文の多い料理店、さるのこしかけ、茨海小学校、どんぐりと山猫、狼森と笊森、盗森、烏の北斗七星、月夜のでんしんばしら、水仙月の四日、山男の四月、かしわばやしの夜、鹿踊りのはじまり、雪渡り、気のいい火山弾、土神ときつね、楢ノ木大学士の野宿。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,269 字 · 223 页

青空文庫

」

山男は、大へん恐縮したように、頭をかいて立って居りました。みんなはてんでに、自分の農具を取って、森を出て行こうとしました。

すると森の中で、さっきの山男が、

「おらさも粟餅持って来て呉ろよ。」と叫んでくるりと向うを向いて、手で頭をかくして、森のもっと奥へ走って行きました。

みんなはあっはあっはと笑って、うちへ帰りました。そして又粟餅をこしらえて、狼森と笊森に持って行って置いてきました。

次の年の夏になりました。平らな処はもうみんな畑です。うちには木小屋がついたり、大きな納屋が出来たりしました。

それから馬も三疋になりました。その秋のとりいれのみんなの悦びは、とても大へんなものでした。

今年こそは、どんな大きな粟餅をこさえても、大丈夫だとおもったのです。

そこで、やっぱり不思議なことが起りました。

ある霜の一面に置いた朝納屋のなかの粟が、みんな無くなっていました。みんなはまるで気が気でなく、一生けん命、その辺をかけまわりましたが、どこにも粟は、一粒もこぼれていませんでした。

みんなはがっかりして、てんでにすきな方へ向いて叫びました。

「おらの粟知らないかあ。