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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
宮沢賢治『注文の多い料理店』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『注文の多い料理店』序、注文の多い料理店、さるのこしかけ、茨海小学校、どんぐりと山猫、狼森と笊森、盗森、烏の北斗七星、月夜のでんしんばしら、水仙月の四日、山男の四月、かしわばやしの夜、鹿踊りのはじまり、雪渡り、気のいい火山弾、土神ときつね、楢ノ木大学士の野宿。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,269 字 · 223 页
そして全くその通りだったろうと私も思います。なぜなら、この森が私へこの話をしたあとで、私は財布からありっきりの銅貨を七銭出して、お礼にやったのでしたが、この森は仲々受け取りませんでした、この位気性がさっぱりとしていますから。
さてみんなは黒坂森の云うことが尤もだと思って、もう少し北へ行きました。
それこそは、松のまっ黒な盗森でした。ですからみんなも、
「名からしてぬすと臭い。」と云いながら、森へ入って行って、「さあ粟返せ。粟返せ。」とどなりました。
すると森の奥から、まっくろな手の長い大きな大きな男が出て来て、まるでさけるような声で云いました。
「何だと。おれをぬすとだと。そう云うやつは、みんなたたき潰してやるぞ。ぜんたい何の証拠があるんだ。」
「証人がある。証人がある。」とみんなはこたえました。
「誰だ。畜生、そんなこと云うやつは誰だ。」と盗森は咆えました。
「黒坂森だ。」と、みんなも負けずに叫びました。
「あいつの云うことはてんであてにならん。ならん。ならん。ならんぞ。畜生。」と盗森はどなりました。
みんなももっともだと思ったり、恐ろしくなったりしてお互に顔を見合せて逃げ出そうとしました。