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ちゅうもんのおおいりょうりてん

注文の多い料理店

宮沢 賢治

宮沢賢治『注文の多い料理店』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『注文の多い料理店』序、注文の多い料理店、さるのこしかけ、茨海小学校、どんぐりと山猫、狼森と笊森、盗森、烏の北斗七星、月夜のでんしんばしら、水仙月の四日、山男の四月、かしわばやしの夜、鹿踊りのはじまり、雪渡り、気のいい火山弾、土神ときつね、楢ノ木大学士の野宿。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,269 字 · 223 页

青空文庫

」

二人の影ももうずうっと遠くの緑青いろの林の方へ行ってしまい、月がうろこ雲からぱっと出て、あたりはにわかに明るくなりました。

でんしんばしらはもうみんな、非常なご機嫌です。恭一の前に来ると、わざと肩をそびやかしたり、横めでわらったりして過ぎるのでした。

ところが愕ろいたことは、六本うで木のまた向うに、三本うで木のまっ赤なエボレットをつけた兵隊があるいていることです。その軍歌はどうも、ふしも歌もこっちの方とちがうようでしたが、こっちの声があまり高いために、何をうたっているのか聞きとることができませんでした。こっちはあいかわらずどんどんやって行きます。

「ドッテテドッテテ、ドッテテド、

寒さはだえをつんざくも

などて腕木をおろすべき

ドッテテドッテテ、ドッテテド

暑さ硫黄をとかすとも

いかでおとさんエボレット。」

どんどんどんどんやって行き、恭一は見ているのさえ少しつかれてぼんやりなりました。

でんしんばしらは、まるで川の水のように、次から次とやって来ます。みんな恭一のことを見て行くのですけれども、恭一はもう頭が痛くなってだまって下を見ていました。

俄かに遠くから軍歌の声にまじって、