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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
宮沢賢治『注文の多い料理店』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『注文の多い料理店』序、注文の多い料理店、さるのこしかけ、茨海小学校、どんぐりと山猫、狼森と笊森、盗森、烏の北斗七星、月夜のでんしんばしら、水仙月の四日、山男の四月、かしわばやしの夜、鹿踊りのはじまり、雪渡り、気のいい火山弾、土神ときつね、楢ノ木大学士の野宿。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,269 字 · 223 页
恭一もしかたなく手を出しました。じいさんが「やっ、」と云ってその手をつかみました。
するとじいさんの眼だまから、虎のように青い火花がぱちぱちっとでたとおもうと、恭一はからだがびりりっとしてあぶなくうしろへ倒れそうになりました。
「ははあ、だいぶひびいたね、これでごく弱いほうだよ。わしとも少し強く握手すればまあ黒焦げだね。」
兵隊はやはりずんずん歩いて行きます。
「ドッテテドッテテ、ドッテテド、
タールを塗れるなが靴の
歩はばは三百六十尺。」
恭一はすっかりこわくなって、歯ががちがち鳴りました。じいさんはしばらく月や雲の工合をながめていましたが、あまり恭一が青くなってがたがたふるえているのを見て、気の毒になったらしく、少ししずかに斯う云いました。
「おれは電気総長だよ。」
恭一も少し安心して
「電気総長というのは、やはり電気の一種ですか。」とききました。するとじいさんはまたむっとしてしまいました。
「わからん子供だな。ただの電気ではないさ。つまり、電気のすべての長、長というのはかしらとよむ。とりもなおさず電気の大将ということだ。」
「大将ならずいぶんおもしろいでしょう。