轻松读懂日语经典作品
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りゅうせんスパイ
流線間諜
海野 十三
「つはもの」1934(昭和9)年~1935(昭和10)年頃
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,982 字 · 70 页
すると不思議! その穴の一つ一つに、何か黒いものが見えたと思ったら、それが徐々に上に迫り上ってきた。見る見るそれは床上から高く突きでてきて、やがて人間の高さになったかと思うと、ピッタリと停った。まるで黒い筍を丸く植えたように見えた。――そこで黒い筍は号令でもかけたかのように、腰を折って椅子に掛けた。よく見るとその黒い筍の頭の方には、ギラギラ光る二つの眼があった。それは頭のてっぺんから足の下まで、黒い布で作った袋のようにものを被っている人間だったことが、始めて知られた。まことに怪しき黒装束の一団! すると突然、音楽の曲目が違った。
「起立!」
という号令が掛る、とたんに、いままで空席だった唯一つの机の前に、ボンヤリと人影が現れたかと思うと、それが次第にハッキリとしてきてやがていつの間にか卓子の前には、これも全く一同と同じ服装をした怪人がチャンと起立していた。その首領らしき人物は、ギラリと眼を光らせると、サッと右手を水平にさし上げ、
「右足のない梟!」
と呼んだ。
するとそれが合図のようにその隣の黒装束が「壊れた水車」と叫ぶ。その隣が「黄色い窓」という。