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うきよえがかのにくひつ
浮世絵画家の肉筆
上村 松園
――花は霞を透してひとしおの風情があるもの――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,867 字 · 4 页
肉筆で見ますと、筆の調子は、あんなにまで暢びた、繊細な美しさを有っているようにはありません。もっと堅い感じのものが多いのですが、それが錦絵になりますと、とても暢び暢びとした、繊巧なものになっております。これなどは確かに、彫工の水際立った手際が、線条をあれまでに活かして柔げたものであろうという判断が下されます。
次に色彩ですが、これなども錦絵の方が、ずっと優雅な味のある深みのある、風韻のあるものになっています。これはむろん刷工の優れた手際と、それに感じの巧みな点に帰せなくてはならないかと思うのです。
こんなわけで、私は浮世絵の作家の作味は、肉筆で見るよりも、錦絵を通じて見ている方がいろいろの意味で、ずっと嘆異的だと思います。