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うみとしょうねん
海と少年
小川 未明
「セウガク二年生臨時増刊「夏休み読者号」 12巻7号」1936(昭和11)年8月5日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,765 字 · 4 页
このことを伝えきいた浜の人たちは、その子供をかわいそうに思わぬものはなかったのです。ところが、それからというもの、月のいい晩には、かなしそうな笛の音が、沖の方から聞こえるという話でした。
「いまでも聞こえますか?」と清さんは、宿の人に、ききました。
「それが、きこえることもあれば、またきこえぬこともあります。笛の音のきこえたつぎの日は、船を沖へ出しても、漁がないということです。」と、宿の人は、答えました。
「まあ、不思議なお話ですこと、清さんも、海へ入ったら、波に気をつけなければいけませんよ。」と、お母さんは、おっしゃいました。
「あの先生がついていらっしゃいますから、だいじょうぶですし、まだ、土用波の立つ時節でもありませんから。」と、宿の人は、いいました。
清さんと、たけ子さんは、寝てからもしばらく、その話が頭にあって、
「今夜は、笛がきこえないかなあ。」と、まくらにつけた耳をすましたのでした。
翌日、海水浴場で、清さんは、水泳の先生に向かって、昨夜聞いたお話をしました。そして、
「ほんとうでしょうか?」と、たずねたのであります。先生は笑っていられましたが、