轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
在线阅读葉山 嘉樹《海に生くる人々(うみにいくるひとびと)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 161,305 字 · 321 页
その仕事着には海底の粘土が、所きらわずにくっついていて、彼の手や顔は、それでいろどられて、くまどりしたように見えた。顔の色は劇動のために土色であった。心臓はむやみやたらに、はね上がった。頭が痛く、目がくらんで、彼は、しばらくデッキへ打っ倒れるか、その辺にあるどんなところへでも、打っ倒れるのが例であった。
だれかが、このチエンロッカーにはいらなかったならば船は動き得ないのであった。波田は、破れそうな心臓に苦しみながら、どんなに多く与え、少し得ているかを思わずにはいられないのであった。
「おれたちは死ぬほど苦しんで、こんなありさまだのに、遊び抜いて、住みもしない別荘を、十も持った人間が、この船を持ってるのだ!」
万寿丸はかくして桟橋へ横付けになることができた。
桟橋の上は、夕張炭田から、地下の坑夫らの手によって、掘り出された石炭が、沢山の炭車に満載されて、船の上の漏斗へ来ては、それを吐き出して帰って行くのだった。
数十間の高さに、海中に突き出している高架桟橋上の駅夫や、仲仕の仕事は、たとえように困るほど寒いものに相違なかった。
人はストーブにあたって、暖かいコーヒー、暖かい肉を摂るべき時候であった。