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うみのおどり
海の踊り
小川 未明
「少女画報」1929(昭和4)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,419 字 · 7 页
ものすごい、沖の方から、たえず波は、ドドウ、ドドウとがけの下に打ち寄せている。そして、かなたの空は、真っ暗でありました。そこには、無数の白いうさぎが、駆けているように、波頭が光って見えるばかりでした。
* * * * *
人間でもそうであるように、まれには、仲間どうしだけで、宴会を開きたいものです。海の男女の神たちは、急に、舞踏会を催すことになりました。
「おまえの力で、人間の船を、みんな吹き飛ばしてくれ。」と、男の神は、風にいった。
急に、空模様が変わってきたので、あたりをこいでいた船は、あわてて港をさして逃げました。
「さあ、今年の冬の踊りおさめに、みんながうたって、騒いでくれ。」と、一人の神が命令すると、風は、凱歌をあげ、幾百千万の波は、手をたたいて乱舞し、黒雲は、雷を鳴らして、火を振りまわしながら駆けり、そして、ここににぎやかな、舞踏会は開かれたのでありました。
女神らは、手を取り合って、素足で、長い、緑色の裳裾をひきずって、入り乱れて舞いました。また、男神は、声高らかに、
海は、自由だ。海は、若い、
幾千万年前も、いまも変わりはない、