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きえたうつくしいふしぎなにじ

消えた美しい不思議なにじ

小川 未明

「童話」1921(大正10)年8月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 8,038 字 · 16 页

青空文庫

彼女は、はとや、ひばりのいうことを聞いて、もしそれだけを信じていれば、なにも知らずにしまったのだと思いました。

それから妹は、もっと道を歩いていきますと、ある大きな木の下に、十ばかりと七つ八つになった、兄弟二人の子供がうずくまっているのを見つけました。

「どうしておまえたちはこんなところに、こうしているのか。」といって、彼女はききました。

二人の子供は、美しい妹の女神をながめました。

「私たちには家というものがありません。毎晩この木の下で寝るのです。お父さんは死んでおりません。お母さんは、ほうぼうを歩いて、ものをもらって帰ってきます。私たちはここにお母さんの帰るのを待っているのです。」と答えました。

これをきくと、やさしい妹はびっくりしました。そして、

「もうこんな惨めな下界には一刻もいたくない。」といって、妹はふたたびはとの姿となって、天上の楽園に帰ってしまったのです。

妹は、楽園に帰ると、さっそく、風と雨とを自分の前へ呼び寄せました。そして、風や、雨に向かって、

「おまえたちは、毎晩のように、あの不幸な子供たちを吹いたり、ぬらしたりして、かわいそうだとは思わなかったか。