轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りんらくのせいしゅん

淪落の青春

坂口 安吾

「ろまねすく 第一巻第一号」ろまねすく社、1948(昭和23)年1月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,729 字 · 36 页

青空文庫

そういう洋行帰りというものが、こんな風になるのも別におかしくはない。そうして、洋行さきのどこにも無かった形のものが、キノコみたいに、珍妙な恰好でこんなところへ出来上ったというのだろうか。まったくこんなキノコは貞吉の洋行さきのどこにもなかった。そのバカバカしさは彼を愉快、陽気にさせる性質のものだった。

「あ、おい、君、ちょっと。オレと踊ろうや」

と貞吉は一人の女を呼びとめた。

この娘はさっきからチョイ/\貞吉を意識して、彼にチラチラ視線を向けていた。体格がよくて、肉の厚いサシミみたいな胸のもりあがった娘であるが、シャクレた生意気な顔付で、男をみるとき動物みたいな険しい目をした。二三年間ぐらいは都会で生意気な生活をしてきたような感じであった。

娘は待っていましたと言わぬばかりにうなずいた。腕をくむとワキガの匂いがプンと鼻をつく。汗ばんでいるのだ。

「君は戦争中は東京の工場へ徴用されていたな。当ったろう」

女は首を横にふった。

「戦争が終ってから一年ぐらい行ってたのよ。それまでは田舎の工場で働かされていたの。戻らなきゃよかった。又、東京へ行きたいのよ」

「行けばいゝじゃないか」