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しんざんのあき
深山の秋
小川 未明
「真理」1935(昭和10)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,725 字 · 10 页
」
これをきくと、きつねは、そり身になって、
「あ、私も、ここにいて、その雲を見るのだった。いままで、竹やぶの中で、眠ってしまいました。あなたの声をききつけて、びっくりして目をさましたのです。」といいました。
老いざるは、ふたりに、使いを頼みました。きつねは、洞穴にいるくまのところへ、そして、りすは、谷川のところで獲物を待っているであろうおおかみのところへいくことにしました。
りすは、いきがけに、老いざるを振り向きながら、
「ぶどうは、すこし過ぎたが、まだいいのがあります。かきもなっているところを知っていますし、くりや、どんぐりや、山なしの実など、まだ探せばありますから、かならずいい宴会ができますぜ。なんといっても、これから、長い冬に入るのだから、うんと一日みんなで仲よく遊びましょうよ。だいいち、この山にすむものの好みですから、おそらく不賛成のものはありますまい。」といいました。
同じく、異った道の方へいきかけたきつねは、
「そうとも、たとえ人間ほどに道理がわからなくとも、俺たちにだって義理はあるからな。」といいました。
「人間の義理なんて、あてになるもんじゃないよ。