轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
そうせきのじんぶつ
漱石の人物
和辻 哲郎
「新潮」1950(昭和25)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,438 字 · 23 页
森田、鈴木、小宮など古顔の連中は、ともすれば先生は頭が古いとか、時勢おくれだとか言って食ってかかったが、漱石は別に勢い込んで反駁するでもなく、言いたいままに言わせておくという態度であった。だからこの集まりはむしろ若い連中が気炎をあげる会のようになっていたのである。しかし後になっておいおいにわかって来たことであるが、漱石に楯をついていた先輩の連中でも、皆それぞれに漱石に甘える気持ちを持っていた。それを漱石は心得ており、気炎をあげる連中は自分で気づかずにいたのだと思う。
この木曜会の気分は私には非常に快く感じられた。それでこの後には時々、たぶん月に一度か二度ぐらいは出席するようになった。
漱石を核とするこの若い連中の集まりは、フランスでいうサロンのようなものになっていた。木曜日の晩には、そこへ行きさえすれば、楽しい知的饗宴にあずかることができたのである。が、そこにはなおサロン以上のものがあったかもしれない。人々は漱石に対する敬愛によって集まっているのではあるが、しかしこの敬愛の共同はやがて友愛的な結合を媒介することになる。人々は他の場合にはそこまで達し得なかったような親しみを、漱石のおかげで互いに感じ合うようになる。