轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かじきょういく

火事教育

寺田 寅彦

1933(昭和8)年1月(初出記載なし)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,421 字 · 9 页

青空文庫

現在の小学校教育の教程中に火災の事がどれだけの程度に取り扱われているかということについては自分はまだ全く何も知らない。しかしどれほど立派な教程があっても、それの効果が今日われわれの眼前にあまり明白に現われていないことだけは確かな事実であると思われる。

火事は人工的災害であって地震や雷のような天然現象ではないという簡単明瞭な事実すら、はっきり認識されていない。火事の災害の起こる確率は、失火の確率と、それが一定時間内に発見され通報される確率によって決定されるということも明白に認められていない。火事のために日本の国が年々幾億円を費やして灰と煙を製造しているかということを知る政府の役人も少ない。火事が科学的研究の対象であるということを考えてみる学者もまれである。

話は変わるが先日銀座伊東屋の六階に開催されたソビエトロシア印刷芸術展覧会というのをのぞいて見た。かの国の有名な画廊にある名画の複製や、アラビアンナイトとデカメロンの豪華版や、愛書家の涎を流しそうな、芸術のための芸術と思われる書物が並んでいて、これにはちょっと意外な感じもした。そのほかになかなか美しい人形や小箱なども陳列してあったが、いちばん自分の注意をひいたのは児童教育のために編纂された各種の安直な絵本であった。