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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

そこで彼は、思い切って両手を胸の上に組合わせ、上体を前にまげ、そしてアメリカ語でいった。

「火星の諸君、こんにちわ。ごきげん如何ですか。ぼくたちは地球からはるばる来ました」

山木がしゃべっている間、張もネッドも、山木と同じようなかたちをして、あいさつをした。

すると、とつぜん火星人の中から奇妙な声があがった。

「ようこそ来てくれましたね。地球の諸君。お目にかかって、たいへんにうれしいです」

たいへん流暢なアメリカ語であった。

「おお、ありがとう、ありがとう」

山木はびっくりとうれしさとで、両手を前へのばして感謝の意をあらわした。だが半信半疑であった。どうして火星人は地球のことばを知り、そしてそれを話すことができるのであろうかと。

そのとき、火星人の群が、三少年の前で左右に割れた。と、奥からも七人の火星人が、こっちへ進んで来た。見るとその火星人たちは大きな頭の下、つまり首に相当するところに太いマフラーのようなものを巻いていた。一番先頭の者は、白いマフラーを巻き、その他は緑、黄、紫などのものを巻いていた。どうやらこの白いマフラーの火星人が、えらい人物のように見受けられた。