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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
「あのね、張がほんとうに心配していることがあるんだよ。二人が自動車旅行に出て行くと二日とたたないうちに、君たちはたいへんな苦労を背負いこむことになるんだってよ」
「へん、おどかすない」
「おどしじゃないよ。張がね、君たちの旅行の安全のために、ご先祖さまから伝えられている水晶の珠を拝んで占ってみたんだとさ、すると今いったとおり、二日以内によくないことが起ると分ったんだ。そればかりではない。この旅行は先へ行くほどたいへんな苦労が重なって君たち二人はいつこの村へ帰れるか分らないといっているぜ」
かねて、張が水晶の珠で占いをすることは山木も河合も知っていたので、そういわれると何だか前途が不安になって二人の顔色は曇った。それを見ていたネッドは、ここぞとばかりつっこんでいった。
「ねえ。いやな話だからさ、用心のために張と僕をいっしょに連れていけばいいだろう。そうすれば張は道々で水晶の珠で占いをして、この先にどんな危険があるかをいいあてるよ。それが分れば、難をのがれることができるじゃないか」
「だめだよ、そんなうまいこといったって……それに、第一その話は、張を連れて行くのはいいと分っても、君まで連れていかねばならないわけにはならんじゃないか」