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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
「いや、僕は御免だ」
と、張が反対した。
「あれっ、君は、こんなに儲かったかといって、躍りあがって喜んだくせに……」
「だって、あんな重い牛の頭のかぶりものをかぶって、二時間も三時間も休みなしで呻ったり喚いたりの真似をするのはやり切れん」
「でも、さっきは喜んでやったじゃないか」
ネッドは承知をしないで張をにらむ。
「さっきは、僕たちが飢え死をするかどうかの境目だったから我慢したんだよ。君がいうように僕ひとりで毎日あんな真似をやった日には、きっと病気になって死んでしまうよ」
「弱いことをいうな。張君。とにかくあんなに儲かるんだから、辛抱しておやりよ」
「儲けるのはいいが、僕一人じゃ僕が損だよ。牛頭大仙人を、毎日代りあってやるんなら賛成してもいいがね」
「牛頭大仙人を毎日代りあってやるって。へえ、そんなことが出来るのかい。だって、水晶の珠をにらんで、どうして占いの答えを出すのか、僕たちに出来やしないじゃないか」
山木が、言葉を投げた。
「なあに、あの占いのことなら、そんなに心配することはないよ。誰にでも出来ることだよ。つまり、水晶の珠をじっと見詰めていると、急になんだか、喋りたくなるからね。