轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

絵にかいたようだというが、それ以上にうるわしい風景だった。そして一日のうちに、大谿谷はいくたびも違った顔をしてみせた。すがすがしい朝の風景、真昼になってじりじりと岩が燃えるような男性的な風景、巨岩にくっきりと斜陽の影がついて紫色に暮れて行く夕景などと、見るたびに美しさが違うのであった。四人の少年は、声もなく大谿谷の美にうたれて、時間の過ぎ行くもしらず塔上に立ちつくすのであった。

一週間は夢のように過ぎた。さすがに四人の少年は、この本館内での生活に退屈を感ずるようになった。博士に、それとなく聞いてはみたが、当分ここから出してくれそうもない。困ったことである。夏休みはもう何日も残っていないから帰りたいといったところ、博士は学校の方には通知を出しておいたからすっかり直るまでここにいていいのだと答えた。それではもう仕様がない。

或る日、ネッドが顔を輝かして、仲間のところへ戻ってきた。四人の少年の乗って来た牛乳配達車が、この本館の或る部屋にちゃんとしまってあるのを見付けたというのである。

「そうか。それはいいものを見つけたね。すぐ行ってみよう」

「すっかりそのことは忘れていたね」