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かやくせん

火薬船

海野 十三

「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页

青空文庫

「そうか。それはよかった。ハルクには、特別賞をやらにゃなるまい」

「そのハルクも、序に片づけておきましたよ。万事片づいてしまいました。あとは、一意、われわれの計画の実行にとりかかるだけです」

怪しき男

そういっているとき、部屋の扉を、とんとんとたたいた者があった。

ポーニンとノルマンは、顔を見合わせた。

「誰だ」

と、ノルマンが声をかけると、

「はい、私で……」

と、はいって来たのは、事務長だった。

「なに用だ、事務長」

「なんだか、へんなやつが、船へやってきましたよ。ロロー船長がこっちに来ていないでしょうか、と、たずねているのです」

「なに、ロロー船長?」

ロロー船長というのは、警部モロのことだった。彼のことなら、もうとくのむかしに、この世から息を引取っているのだった。船長ノルマンは、ポーニンと顔を見合わせて、意味深長な目くばせを交わした。

「船長ロローは、上陸したが、なにか用事があって、まだ帰ってこない――と、そういえ」

「はい」

「それから、なにか用なら、聞いといてやるからと、そういってみろ」

「はい、かしこまりました」

事務長は、出ていった。

船長ノルマンは、ポーニンの方に、身体をすりよせ、