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かやくせん

火薬船

海野 十三

「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页

青空文庫

「な、なにをッ」

「なにをじゃないぜ。さっきお前は、もうすこしで水兵の銃剣にいもざしになるところじゃった。あぶないあぶない」

この丸本という水夫は、竹見の相棒だった。年齢のところは、竹見よりもそんなに上でもないのに、まるで親爺のような口をきくくせがあった。この二人の口のやりとりこそ、はなはだらんぼうだが、じつはすこぶるの仲よしだった。

「なんだ、丸本。貴様は俺がいもざしになるところをだまってみていたのか。友達甲斐のないやつだ」

「ははは、なにをいう。お前みたいなむこう見ずのやつは、一ぺんぐらい銃剣でいもざしになっておくのが将来のくすりじゃろう。おしいところで、あの水兵……」

「こら、冗談も休み休みいえ。あの銃剣でいもざしになれば、もう二度とこうして二本足で甲板に立っていられやせんじゃないか」

「そうでもないぞ。あの、われらの虎船長を見ろやい。足は二本ともきれいさっぱりとないが海軍さんを見送るため、ああしてちゃんと甲板に立った。お前だって、いもざしになってもあれくらいのまねはできるじゃろう」

「おお虎船長!」

と、竹見太郎八は、なにかをおもいだしたらしく、

「そうだ、俺は虎船長に用があったんだ。