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かやくせん
火薬船
海野 十三
「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页
「おい、ちょっと、ここへ出てこい!」
船長ノルマンは、船橋のうえから、甲板へこえかけた。これもちょっとした中国語をつかう。
「へえ、――」
竹見は、わざと頭脳のにぶそうな声で、返事をした。
「へえじゃないぞ。いそいで、ここへ上ってこい」
船長の語気は、一語ごとにあらくなっていく。
(船長め、どうしたのかナ)
竹見は、白刄で頸すじをなでられたような気味のわるさをかんじた。
「へえ、ただ今」
とこたえて、竹見は、ハルクに、ちくりと目配せした。
ハルクは、無言のままあごをしゃくった。
(船長のいうとおり、船橋へのぼれ)
といっているのである。
竹見は、にやッとわらって、いそぎ足で、昇降段をのぼった。
下から、ほッほッという嘆声が聞えた。竹見がましらのように身軽にのぼっていったのを、水夫どもが感心しているらしい。
「へえ、なにか御用ですか」
と、竹見はぬっとかおを前につきだした。
船長ノルマンは両腕をくんで、けわしい目つきで、竹見をじっとにらみつけた。
「貴様は、なぜ本船へかえらないのか」
するどい船長の質問だ。
「へえ、私はもう、あの船へかえりたくないんです」
「なぜ。