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かやくせん

火薬船

海野 十三

「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页

青空文庫

発信人の名は、もちろん秘密符号でしるされてあったが、それを解いてみると、ポーニンと出た。

ポーニン!

ポーニンといえば、フランス氏と仮りに名をかえ、サイゴンでしきりにセメントを買いこんでいるあの怪人物だった。

汽船ノーマ号の船長ノルマンと、怪人ポーニンとは、こんど始めての取引ではなかった。その間をあらえば、おどろくべき両人の深い関係があらわれてくるであろう。

それにしても、奇怪さを倍加したのは、ノルマン船長である。ノールウェーの汽船が、ソ連の密使といわれるポーニンとの間に相当ふかい連絡があるというのは、一たいどうしたことであろうか。

水夫の竹見はおもいがけなく、ふたたび平靖号の甲板をふんだ。

同志たちは、いずれも竹見を歓迎してくれた。そして、彼が火薬船だと知ったのは、どういうわけかなどと、質問をかけられたが、竹見は、それにはこたえず、虎船長のもとへいそいだ。

虎船長は、それこそ猛虎が月にほえるような大きなこえを出して、ノルマンの無礼極まる命令を一蹴した。

奇妙な相談

竹見は、虎船長とノルマンとの間にはさまって、まったくこまってしまった。

「船長。