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かやくせん

火薬船

海野 十三

「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页

青空文庫

「うまくいきそうですね」

「ふむ、やっこさん、雑草園へいけば、きっとガーデンの卓子の前にこしかけて、一ぱいやりたくなるにきまっている。そのとき、なんとかいった大きな男が出ていって、うしろから知れないように、うまくやるだろう」

「ああ、あれは巨人ハルクです。青斑の毒蛇は、ハルクにわたしておきました」

「ハルクか。そのハルクは、きっとうまくやるだろうね。毒蛇を仕こんでおいたステッキの蓋の明け方を、彼はよくおぼえただろうね。あれは、知らない者がやっても、決して明かないように、複雑な機構にしてあるんだ」

「あの明け方は、一度や二度きいたのでは、おぼえきれませんよ。ですから、私は、予め蓋をもうすぐ明くというところまで外して、ゆるめておきました」

と、船長ノルマンは、したりがおにいった。毒蛇は、仕掛のあるステッキの中に入れてあるらしい。一体、その毒蛇を、どのようにつかうのであろうか。

「それは危険だ!」

と、ポーニンが、まゆをつりあげていった。

「それは危険だ。もし、ステッキの蓋が外れて、毒蛇がはい出す。そして、ハルクにかみつくと、ハルクが死んでしまう。すると肝腎の船長ロローをかたづける計画が、だめになってしまう」