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かやくせん
火薬船
海野 十三
「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页
雑草園の中は、ますますさわがしくなった。ノルマンたちのことに気がついたのか、それとも酔っぱらいがさわいでいるのか、はっきりしなかったが、とにかく、はやくむこうへいかないと、とがめられる恐れがあった。
「さあ、しっかりつかまれ」
船長は、そういって、ハルクにかたをかした。そしてかけるように、速歩で歩きだした。
「うっ、くるしい。もっと、しずかに……」
「ちぇっ、なんだ、ふだんは巨人ハルクといわれていばっているあらくれ男のくせに。これくらいのことで音をあげるたあ、死に損いの女の子みたいじゃないか」
「ま、まって……」
「しっかりしろ。ぐずぐずしてりゃ、二人ともつかまっちまう」
船長ノルマンは、有名な強力だったから、巨人ハルクのうでをかたにかけ、彼の巨体を、ひきずるようにして、どんどん埠頭の方へいそいだ。
やがて二人が近よったのはぷーんと異様な臭気のただよっている倉庫だった。その倉庫の入口は明いて、しきりに物をはこびこんでいる。そこはつまり、平靖号の積荷をはこびこんでいる例の倉庫だったのである。
「あっ、船長」
ノーマ号の火夫の一人が、目ざとく、二人をみつけた。