轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

てん

点

小川 未明

「新天地」1909(明治42)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,063 字 · 17 页

青空文庫

場合がある。けれど何方かといえば無愛想な、構わぬ人であった。或時には冷たく見えたのは事実だ。

日曜日になると説教がある。また午後からになると子供が数学を習いに来る。その時には無賃で置かれた家なしの女房は、後の扉を開けて出て来て、ストーブに薪を投て行く。家なしの夫は昼間は働に出て夜帰って来る。留守に女房が、教会堂の留守を兼ね、翁の世話をしている。とはいえ決して翁はこの女房の世話にならなかった。食物から、衣服の事すべて自分のことだけは自分でした。ただストーブに薪を投たり、戸閉の注意位この女房に委してあるばかりであった。この女房というのは、二眼と見ることの出来ない不具者である。頭髪は赤くちぢれて、その上眇で、跛であった。夫というのは懶惰者の、酒飲みで普通の人間でない。けれど翁は斯様者でも自分の傍に置て意とせなかった。翁は人の来ない時でも、独り演壇の上に書物を開いて、両側の色硝子に夕日の輝く時分まで熱心に書見に耽っている場合がある。教会堂は町の通から少し奥に入って、物音が聞えずに昼でも静かである。後の扉がギーと開くと、赤目の眇で跛の頭髪のちぢれた女房が薪を小脇にかかえて、妙な歩みつきで出て来ると、じろりと翁の方を盗むように見て、ストーブに薪を投げ入れて、また妙な足つきで奥の方へ入ってしまう。