轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えぼしだけのちょうじょう

烏帽子岳の頂上

窪田 空穂

「早稻田文學 第二百三號」早稻田文學社、1922(大正11)年10月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,432 字 · 15 页

青空文庫

「仏像の光背は、多分これを取ったのだらう」

私はそう思ってそこを離れた。少し歩みを移して、又そちらを見ると、そこにも同じものが映っている。又行って見ると又映っている。

離れまいとするように見える、虹を負った自分の影を、私は何回見たことであろう。

遠く望んだ岩山へ、私は一人で登って行った。赤い岩の積み重ねであった。ところどころに偃松があり、高山植物が咲いていた。

登りつくして見ると、私はその先に、今一つ、前よりもやや深い偃松の下りがあって、俄に高まっているその高まりの頂点に、一つの大きな岩の立っているのを発見した。それはここへ来るまで、全く見なかったものである。

「あれが烏帽子岩だ、」と心付いた。「行って見たい、」と思うと共に、それに要する時間が、この場合私に許されるものか何うかを考えなければならなくなった。

私は暫く岩山の頂に立っていた。

「あ!」と私は声を立てた。思い懸けなくも雷鳥が一羽、私の直ぐ前のところにあらわれた。茶色の、鳩ほどの、丸い形をした、今は飛ぶことを忘れた鳥は、偃松の実を啄んでいたが、啄み飽きて遊んでいるところと見える。

雷鳥は私を見たようだ。