轻松读懂日语经典作品
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ほのおのなかにうたう
焔の中に歌う
野村 胡堂
「文芸倶楽部」1928(昭和3)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,476 字 · 27 页
でも貴方ばかりは本当に正直で純潔そうよ、可愛らしい坊っちゃん――怒らないで下さい――私は、貴方に話し度い事があるの、真剣に聴いて下さらない? 大変な秘密よ、今の今まで命にかけて守り通した、それはそれは大事な私の秘密よ、この秘密を明かして了えば、私の一生は破滅だワ……けれども私はもう、そんな秘密が、とても背負い切れそうもない……」
歌姫の顔に刻まれた深刻な悩みが、明るい飾電灯に照し出されて、陽炎のように動揺します。青白い頬、乾く唇。そして切ない眼ざしが、感じ易い深井少年の胸を掻きむしります。
「私には、恐ろしい秘密があるの、素振りにも表わすことの出来ない、それはそれは恐ろしい秘密よ。出来ることなら私は、その秘密を抱いて、このまま死んで行き度い、けれども、それさえ今は許されて居ないんです……人間は、一生秘密を守り通せるものではない『王様のお耳は驢馬の耳』という童話があるでしょう、丁度ああ言った具合に、自分の身の破滅になるような恐ろしい秘密でも、土へ穴を掘っても言わずには居られないのですネ、……深井さん、聴いて下さる、そう、有難いワネ、あなたは、私というものの悪い噂を沢山お聞きになったでしょう。