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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页
その前に小さいテーブルがあって、酒の壜と盃とソーダ水の筒とがのっている。ターネフは、およそ師父らしくない態度で、足をくみ、そして、酒のはいったコップをとりあげると、ぐーっとあおった。
「おい、ニーナ。お前は、もっと、用心ぶかく、そしてもっと、すばしこくやってくれないと困るよ。こっちの正体を、相手にかぎつかせるようでは、役に立たない」
ターネフは、きゅうくつな師父ターネフの仮面をかなぐりすてて、ターネフ首領をむきだしにしている。前にトラ十がずばりと指したように、ターネフは世界骸骨化本部から特派された極東首領であり、ニーナは、その姪でもなんでもなく、彼の部下の一人であったのである。
「バラオバラコの名で、房枝と黒川とを、うまく丸ノ内へつれだす計画だって、お前の不注意のため、トラ十にかぎつけられたんだ。そして、あべこべに、われら二人が、トラ十のために逆襲され、ぐるぐるまきにされて、自動車の中へとじこめられたときには、わしは腹が立って、気が変になりそうだった」
ターネフは、さかんにこぼすのだった。この話によってみると、バラオバラコは、ターネフとニーナのことであることがわかる。